《健康相談室》COPDについて
先日、落語家の桂歌丸さんが亡くなられました。原因は肺の病気のCOPD だと聞きましたが、これはどんな病気なのですか?
慢性閉塞性肺疾患の最大の原因はたばこです
COPD とは「慢性閉塞性肺疾患」の英語名の頭文字を取ったものです。たばこ等の有害物質を長年にわたって吸入することで肺胞が破壊され、肺気腫病変や慢性気管支炎症状が発生。そのため気
流閉塞が起こり、呼吸困難となります。
日本人の死因の第9位を占め、患者数は約530万人。40歳以上の人の8・5%がCOPD とされていますが、治療を受けている人は20万人ぐらいしかいません。
治療している人が少ないのは、日本では知名度が低いことや、患者さんは60歳以上の高齢の方が多いため、息切れの症状があっても年齢のせいにされがちなことなどが考えられます。
歌丸さんは、平成22年に厚労省が設置したCOPD に関する検討会の委員を務め、自身の喫煙歴について語っています。「19歳の時からたばこを吸い始め、ピースを1日約50本吸うヘビースモーカーだった。67歳の時、人間ドックで肺が弱っているので禁煙しないと取り返しのつかないことになると言われたが、それでも吸い続けた。
たばこを止めたのは、それから6年後の73歳の時。風邪から肺炎となり、非常に苦しい思いをしたためだ。その頃、楽屋から高座の座布団までのわずかな距離を歩くだけで息切れがして、最初の2〜3分は話すことができない状態だった。
今になって、たばこがすごく毒なものだということに気が付いたが、ちょっと遅かった」と後悔し、同じような目に遭う人をなくすため、早期発見・治療ができる体制作りを訴え続けました。
ご冥福をお祈りします。
日時:2018年08月21日 17:43