《健康相談室》インフルエンザウイルスの感染力について
ずっと気になっていたことですが…。咳で飛散したインフルエンザウイルスは、どれくらいの時間、生きていて感染力を持っているのでしょうか?
<生存率が最も高いのは湿度20%、温度10~20℃の状態>
インフルエンザに感染している人がくしゃみを1回すると、200万個、咳でも10万個のウイルスが周囲に飛散します。飛散距離は1.5mほどなので、半径1.5m以内にいる人は鼻や口から感染する可能性がありますが、飛び散る飛沫は水分を含んで重いため、長時間空気中を漂うことはありません。しかし、飛沫から水分が蒸発してウイルスだけ残り、飛沫核となった場合は、長時間にわたって空気中を浮遊します。インフルエンザの感染経路は飛沫と接触が中心ですが、暖房の効いた乾燥した密閉空間では、空気感染することもあります。ウイルスは、寄生している生物の細胞の中でしか生きることも増殖することもできませんが、生体外でも一定期間は生存できます。凸凹の少ない表面では24〜48時間、衣類や紙のように凸凹の多い表面では8〜12時間生存しています。空気中だと2〜8時間ですが、乾燥していれば24時間以上生存します。そのため汚染された環境や飛沫核が感染源になる可能性もあります。ウイルスの生存率が最も高いのは、湿度20%、温度10〜20℃の状態で、これはインフルエンザが流行する季節の屋内外の条件と一致しています。湿度50%以上、温度22度℃の状態に4時間以上保った場合、インフルエンザウイルスの生存率は2〜4%で、ほぼ死滅します。湿度50%以上、気温30℃の高温多湿な環境下では、インフルエンザウイルスはほとんど生存できません。だから加湿がとても重要なのです。厚労省では、加湿器で湿度を50〜60%に保つことを推奨しています。
日時:2018年01月19日 11:27