《健康相談室》溶連菌感染症について
高熱が出て喉が痛いと言っていた子供が、溶連菌感染症と診断されました。恐い続発症があると聞きましたが、大丈夫でしょうか?
症状が消えても抗菌薬は指示通りに飲みましょう
のどが痛い時はほぼ、ウイルスや細菌に感染して炎症を起こしている状態です。
細菌感染で注意が必要なのは、急性糸球体腎炎やリウマチ熱など、恐い続発症を引き起こす溶連菌です。
正式には溶血性連鎖球菌と呼ばれ、症状は高熱とのどの痛みのほか、舌にイチゴのようなツブツブができたり、体に小さく紅い発疹が出たりします。
疑いのある時は、綿棒でのどの粘膜をこすって調べる検査を行います。5~15分程度ですぐに結果が出て、溶連菌と分かれば抗菌薬が処方されます。
薬を飲み始めて2〜3日で熱が下がり、のどの痛みも和らぎます。しかし、菌を確実に退治して急性糸球体腎炎、心臓弁膜症などの重大な続発症を引き起こさないためには、症状が消えたあとも医師の指示通りに最後まで薬を飲み続けなければいけません。一部の抗菌薬以外は、5~10日間飲み続ける必要があります。
溶連菌に予防接種はなく、大人になっても罹りますし、繰り返し罹ることもあります。咳やくしゃみなどで飛沫感染するため、家族への感染にも注意が必要です。手洗いやうがいを徹底し、マスクを着用しましょう。
溶連菌感染症の症状は風邪や咽頭炎、扁桃炎と似ているため、気づきにくいことがあります。また、他のウイルスの流行時期
と重なることもあるため、インフルエンザとの混合感染も見受けられます。のどの痛みや発疹など典型的な症状が見られたらすぐ受診しましょう。
日時:2017年11月16日 12:51