《健康相談室》受動喫煙防止法について
受動喫煙防止法が、厚労省の原案通りに成立するのが難しい状況だとか…。なぜですか?
喫煙に対する政策状況評価、日本は最低ランクです
受動喫煙とは、喫煙によって生じた副流煙(タバコの先から出る煙)、や呼出煙(喫煙者が吐き出した煙)の有害物質を吸入することをいいます。
受動喫煙が、心筋梗塞や肺癌、脳卒中等のリスクを上昇させることは、国立癌研究センターの報告からも明らかです。日本では、
受動喫煙によって毎年1万5000人が命を落とすといわれており、交通事故による死亡者数4000人を遥かに上回ります。
日本学術会議では、充分な科学的証拠があり、他人の健康を害してまで喫煙する権利を認めるわけにはいかないとして、公共の場での禁煙を求めています。
また煙草規制国際会議も、公共の場での喫煙を、罰則のある法律で規制する必要があるという結論を出しています。
アテネ以降、北京、ロンドン、リオ五輪では、すべて罰則付きの受動喫煙防止策が導入されました。東京五輪でもやはり、IOCが推進する「タバコのない五輪」という方針のもと、受動喫煙対策を強化する必要があります。
厚労省は当初、飲食店をすべて禁煙とする方針でしたが、それでは廃業に追い込まれるという飲食業会の主張を受け、自民党煙草議連が規制に反対。喫煙者と非喫煙者が共存できる分煙社会の構築を唱え、原案は厳しすぎると修正を要求しました。
そのため厚労省は、バーやスナック等の小規模店舗は規制の対象外として喫煙を容認する改正案を公表。屋内全面禁煙の徹底は困難な状況となっています。
ちなみに、WHOの喫煙に対する政策状況評価で日本は最低ランクに位置付けられています。
日時:2017年07月18日 17:27