《健康相談室》筋力の衰えとストレッチについて
年齢とともに体が硬くなり、関節や筋肉の動きが悪くなってきたようです。若い頃のようにもっと身軽に動きたいのですが…?
ストレッチ体操が有効ですよ
年齢とともに筋肉の柔軟性が低下し、関節の動きが悪くなってきます。それを予防するのに効果的なのがストレッチです。
ストレッチとは、筋肉を良好な状態にするために引き伸ばすことをいいます。ゆっくり呼吸しながらストレッチを行うことで、酸素が十分に供給され、筋肉の伸び縮みがポンプの役割を果たして血流がよくなります。例えば、ふくらはぎや足裏のストレッチは、下肢のむくみの改善につながります。
現代人は、ストレスによって交感神経優位に傾きがちですが、呼吸と連動してストレッチを行えば、副交感神経が優位となり、心身ともにリラックスします。その結果、筋肉の緊張が和らいで凝りや筋肉痛が改善するばかりか、血圧が安定したり、胃腸機能が向上するといった効果も期待できます。就寝前のストレッチは、体の無駄な力をとり、心をほぐして快眠へと誘います。
ストレッチには線維芽細胞を活性化し、劣化したコラーゲンを壊して新しく置き換える作用があるため、筋肉の柔軟性も徐々に増してきます。
さらに、ストレッチを続けることで血管年齢が若返ることも分かっています。動物の筋細胞を使った実験では、ストレッチを繰り返し行うことで筋細胞が増殖し、筋繊維が長く伸びることが明らかになっています。しかも、回数と強度を上げるほど、筋細胞の成長は顕著になり、逆に運動不足になると筋肉は萎縮して硬くなります。
毎日の生活にストレッチを習慣づけて筋力の衰えを防ぎ、転倒や寝たきりを予防しましょう。
日時:2017年03月22日 14:43