《健康相談室》インフルエンザワクチン型について
昨年からインフルエンザワクチンが「3価ワクチン」から「4価ワクチン」に変更されたと聞きました。何が変わったのですか?
A型2種類+B型2種類のワクチン株が含まれています
インフルエンザにはA型とB型とがあります。ウイルス粒子を構成するタンパク質の抗原性の違いによって分類されていますが、形態上は見分けがつきません。また、症状もとてもよく似ているため、臨床症状だけで区別するのは困難です。さらに、A型もB型も細かく種類が分かれています。
今までのワクチンは、A型がソ連型と香港型の2種類、B型が1種類、合計3種類のワクチンが含まれ、3価ワクチンと呼ばれていました。
これまで、B型ワクチンは山形系とビクトリア系のどちらか一方が選択されていました。しかしB型に1種類しか含まれていないと、他の系統が流行した場合、効果が低くなります。そのうえ、近年は世界的にこの2種類混合系統の流行がみられるため、WHOでは2013年からB型2系統を含んだ4価ワクチンを推奨しています。
こうした流れを受けて日本でも、2015年に製剤基準が改正され、4価ワクチンが用いられるようになり、値段も少し高くなりました。
A型が流行し始めるのは11月下旬ごろから、B型は3月中旬ごろからのため、A型に感染した後、B型に感染することもあります。
ウイルスは突然変異するためワクチンも毎年変更されます。そのため、前年に注射していても新たに接種が必要となるわけです。近年、変異したウイルスのうち、どのウイルスが流行するかを予測する技術が高まってきており、実際に流行したウイルスとほぼ一致したワクチンを作製することができるようになっています。
日時:2016年10月17日 11:15