《健康相談室》 糖尿病と骨折の関係について
母は糖尿病で薬を飲んでいます。糖尿病の人は骨折しやすいと聞き、心配しています。これは本当でしょうか?
糖尿病は骨密度低下や骨質低下をもたらします
残念ですが、糖尿病があると健常人の2~4倍骨折しやすいと言われています。その理由を説明しましょう。
糖尿病の人はインスリンの作用が低下しています。インスリンには血糖値をコントロールする働きがあるほか、骨を作る細胞(骨芽細胞)を増やす作用や、カルシウムを腸から取り込んで骨を作る働きのある活性型ビタミンD3を作る作用があります。インスリンが低下すると、そうした作用も低下するため骨の形成が悪くなってしまうわけです。
また糖尿病の人は、血中の過剰な糖分を尿として捨てようとするため、尿量が増えます。するとカルシウムも余分に尿中に捨てられるので、血中のカルシウム濃度が減少。それを補おうとして骨からカルシウムが血中に溶け出し、骨のカルシウム量が減って骨が弱くなるのです。
また、高血糖の人は悪玉コラーゲン架橋というものも増えやすくなります。これは、蛋白質が糖と結びつく糖化反応や酸化によって形成されます。高血糖の状態が続くと糖化反応が進み、悪玉コラーゲン架橋が増えて、骨の成分のコラーゲンが劣化。骨がもろくなって骨折しやすくなるのです。
それに加え、合併症である糖尿病性網膜症による視力の低下や、糖尿病性神経障害による足の知覚障害などが起こると、転倒しやすくなり、前述の理由で骨がもろくなっている可能性があるため、骨折の危険性はさらに高まります。
こうしたことが、健常人の2~4倍骨折しやすいと言われる理由です。
秋の七草
秋の到来
日中は暑くまだ残暑が残っていますが、朝・晩は涼しくなり少しずつ秋が近づいているように感じます。秋と言えば、読書の秋・食欲の秋・・・まだ紅葉シーズンには早いですね。
今日は秋の七草についてお話します。秋の七草とは、秋に咲く代表的な七草の草花で、ハギ・ススキ(オバナ)・クズ・ナデシコ・オミナエシ・フジバカマ・キキョウのことを言います。春の七草は無病息災を願って「七草粥」として食べますが秋の七草は鑑賞して楽しむ植物の様です。
まだまだ暑いですが、屋外ではコスモスが少しずつ咲き始めています。
みなさんも秋を感じに外出してみてはいかがでしょうか。
秋の風
残暑が少し戻って昨日、今日は気温が上がっていますね。そんな中でも、やはり9月なんだなぁと感じる秋の風はふいています。種の膨らみが目立つようになってきましたが今年も朝顔が沢山花を見せてくれました。夏と秋が共存するこの季節を楽しみたいと思います。秋の行楽シーズンも近づく中でデング熱の発症が各地に広がっているようなので皆さまお気をつけ下さい。
デング熱
最近、よくこのことばが、ニュースなどで流れています。
東京の代々木公園でウイルスを保有する蚊に刺された人が、感染しています。感染者は、22人にのぼるようです。では、デング熱とはどういうものなのでしょうか?
デング熱は、デングウイルスが感染しておこる急性の熱性感染症で、発熱、頭痛、筋肉痛や皮膚の発疹などが主な症状です。世界中では、熱帯や亜熱帯の全域で流行しているようです。デングウイルスに対する特有の薬はなく、対症療法という表面的に表れた症状を緩和することが主となります。熱が出た後は、比較的良好で、症状が回復し始めると迅速に回復するのが特徴です。人から人へ感染することはないようで、感染が大規模に広がることはないようです。あまりないでしょうが、代々木公園や近隣にお出かけの際は、虫除けスプレーや、長袖、長ズボンで対策をされることをお勧めします。