《健康相談室》 帯状疱疹について
叔父が帯状疱疹になり、3カ月経った今も痛みを訴えます。これはどんな病気で、どんな治療法がありますか?人にうつりますか?
子供のとき水ぼうそうに罹りますが、治ってもウイルスは消滅した訳ではなく、神経節に隠れて復活の機会を狙って何十年も潜伏し続けます。そして過労や大きなストレス、病気、免疫制御薬の使用、加齢などで免疫力が低下したときに復活します。
復活したウイルスは、神経節から出て活動を再開し、神経に沿って進行します。最初はチクチクするような痛みが起こります。体幹部、手足、顔、どこにでも現れますが、体の片側だけで、一度に2カ所以上の場所に現れることはほとんどありません。
初めは皮膚の症状がないため診断が困難ですが、4~5日すると痛みの出た部位に虫に刺されたような赤い発疹ができ、次第に水疱に変わって、膿疱、かさぶたとなります。三叉神経にできると髄膜炎や脳炎に至る恐れもありますし、目の中にできると失明に至ることもあります。
重症になると入院して、抗ウイルス薬の点滴静脈注射を行ないますが、早期の場合は抗ウイルス薬の内服治療で皮膚症状や痛みの重症化、後遺症の神経痛を防ぐことができます。疑わしいときはすぐに医療機関を受診しましょう。
一般的に、損傷された神経の回復は良好ですが、高齢者は回復が困難で、神経痛が後々まで残ることもあります。その場合の治療は、リリカ・弱オピオイド等の薬を用いたり、ペインクリニックでの神経ブロックを行なったりします。
なお、水ぼうそうに罹ったことのない子供を除いて、帯状疱疹が大人にうつることはありません。
日時:2014年06月02日 09:39