《健康相談室》インフルエンザ予防について ②
インフルエンザウイルスのA型とB型の違いを教えてください。1本の予防接種でどちらにも効果はありますか?また、予防接種は毎年受けたほうがよいのでしょうか?
A型とB型は、ウイルス粒子を構成するタンパク質の抗原性が違います。しかし、形態上は見分けがつかず、症状も似ているため、区別するのは難しいのですが、決定的な違いが2つあります。
まず1つ目は、A型の感染経路は渡り鳥や水鳥、豚、馬など人畜共に感染するのに対して、B型は人間だけを宿主とし、人から人への感染経路しか確認されていない点です。
2つ目は、A型は突然変異を起こしやすく、毎年流行を繰り返す度に突然変異を起こして少しずつ違った性質のウイルスが現れますが、B型は突然変異しにくいという点です。
他にも、A型はより重症化しやすく、脳症になる可能性もB型より高いこと。B型は胃腸症状が出やすく、症状は軽い場合が多いのですが、小児では時に重症化するケースがあること。A型の流行は11月下旬ごろから、B型は3月中旬ごろからが多いため、A型に感染した後、今度はB型に感染することもあります。
予防接種ワクチンは、Aソ連型、A香港型、B型の3種類のウイルスに対して免疫を作る作用がある3種混合ワクチンですから、これらのどの型が流行しても効果があります。
ただしウイルスの突然変異株があるため、ワクチンは毎年変更され、前年に注射しても新たな接種が必要となります。近年は、変異した株のうち、どの株が流行するのか予測する技術も進歩し、実際の流行とほぼ一致したワクチンが作られています。
日時:2013年12月03日 10:38