[健康相談室]総合病院での待ち時間とかかりつけ医について
近くの大きな総合病院で高血圧の薬をもらっています。予約制の受診ですが、毎回2、3時間待つのが当たり前。患者さんが多いのは分かりますが、何とかならないものでしょうか?
重症度に適応した医療機関で受診を
医療機関には本来、それぞれの役割があります。患者さんの治療だけでなく研究や学生の教育を行なっている大学病院、地域医療の中核となり比較的高度な医療機器を備えて緊急治療に対応する地域の総合病院、高度な医療機器は備えていないものの患者さんの身の回りの細やかな疾患に対応し、病状によっては中核病院や大学病院へ紹介を行なう中規模病院や一般診療所等に分かれています。中核病院では、緊急対応の有無や守備範囲としている疾患の内容によっては患者さんお一人当たりの診療時間も長くならざるを得ず、予約されていたとしても待ち時間が長くなる傾向があります。また大学病院であれば、通常の検査治療に加えて学生による模擬診察の機会などもあり、単純な診療だけ
で終わらない場合もあります。もちろん、日本では多少の金銭負担はあれ、どの種類の医療機関を受診することも可能です。ただ昨今は、患者さんが重症度に適応した医療機
関を選んで受診されているとは言いがたく、そのため中核病院の勤務医が過剰労働となり、それが医療過誤発生の温床ともなっています。今回の質問者の方の場合も、病状
や状況にもよりますが、主治医の先生に近くの医師を紹介してもらってはいかがでしょう? 総合病院をかかりつけ病院にする安心感は十分理解できますが、結果として、本当に必要なときに十分な医療を受けることができなくなる可能性を招いているということを認識すべきでしょう。
日時:2013年02月01日 10:47