[健康相談室]健康診断後の病院受診について
健康診断の結果、高コレステロール血症と高血圧症を伴ったメタボリック症候群と診断され、生活指導の指示を受けました。でも緊急ではなさそうです。少し様子をみていてよいですか?
地域や企業などで実施される健康診断は、自分自身の健康状態を把握すると同時に、問題のあるところをチェックして、病気が発生する前に防ぐ狙いがあります。また、その結果を毎年保存することにより、経過を把握しやすく、万が一病気になった場合も、いつの時点まで問題がなかったか?」「原因が生活習慣にあったかどうか」といったことを確認するのに役立ちます。それによって診断をつけやすく、治療を行う期間が短くなる可能性さえあります。しかし、現実には残念ながら記録の保存どころか結果の確認も十分に行わず、再検査、要精密検査、要加療などの指示があっても、そのまま放置し、翌年再び同様の指摘を受けたり、状態が悪化したりしているケースが少なくありません。これでは健康診断を受ける意味がありません。そうした方々はあるいは、再検査などの目的で受診することで、新たな薬を飲まなければいけなくなったりすることを心配されているのかもしれません。しかし、実際の治療は薬を飲むことだけではありません。生活習慣の改善も重要な治療の一つで、むしろ内服せずに加療するのが本来の目標なのです。ご質問の方のように、高コレステロール血症や高血圧症についても生活習慣を変えることで改善する可能性があります。投薬でなく、まず食生活や運動量の見直しを図る生活指導(保健師からのカウンセリング)を、できればご家族と一緒にお受けになるとよいでしょう。
日時:2012年08月01日 16:30