【健康相談室】食中毒について
先日、賞味期限を少し過ぎたウインナを食べてお腹を壊してしまいました。これは食中毒だったのでしょうか?
梅雨に入ると、食べものによる腹痛や下痢で来院される方が多くなります。ご相談者のケースでは、食品中の増加した細菌が直接、症状を引き起こした場合と、細菌が生み出した毒素が引き起こした場合の2つの原因が考えられますが、どちらも食中毒です。ほかにも、増加したウイルスが直接引き起こす食中毒や、食品中の物質が自然に毒性を持ったことで引き起こされる食中毒があります。とくに後者は科学性食中毒と呼ばれ、有名なものとしては、古くなったサバなどを食べたときに起こったりするヒスタミン中毒があります。ヒスタミンは、本来はじんましんなどのアレルギー症状を引き起こす物質ですが、サバやマグロにはもともとこの物質の原材料が含まれており、古くなることによってヒスタミンに変化します。一般的にサバアレルギーといわれているのはこの現象のことで、正確にいうとアレルギーでなく食中毒なのです。6月は湿度も気温も高く、細菌の増殖に伴う食中毒の多い時期です。食品を生で食べるなら新鮮なうちに、時間が経過したものはしっかり加熱してから食べましょう。
日時:2011年06月01日 06:21