なぜ乳幼児だけ?
先日「浄水場の水から基準値を超える放射性ヨウ素が検出されました」とのニュースが報道されました。
その中で「大人は大丈夫ですが、乳幼児には念のために飲ませないようにしてください」との一文が添えられています。
なぜ成人と乳幼児では基準が違うのでしょうか。
乳幼児は身体を成長させてゆく過程で成人よりも多くの栄養を必要とし、また細胞もとても活発な活動をしています。
成長著しい時期の細胞は、通常の細胞よりも放射線を受けた時のダメージが大きいことが実験的にわかっています。そのため、成長著しい時期の乳幼児への摂取を極力減らしましょう、という通達が出るわけです。
また、甲状腺は代謝を助けるホルモンのほか、成長を司るホルモンも分泌します。
報道にある水道水中の放射性ヨウ素が甲状腺に貯留し、甲状腺の細胞がダメージを受けて機能が低下した場合、成長ホルモンの分泌が阻害され、発育が悪くなる可能性があります。
さらに乳幼児は成人に比較して甲状腺内のヨウ素の蓄積量が少ない場合が多く、水から新たにヨウ素を取り込んだ場合、ほとんどを吸収してしまって、長期に渡って被ばくする確率が高いのです。
乳幼児、という言い方での第一報でしたが、可能であれば妊婦さんも飲まない方が賢明だと考えられます。特に胚分裂が活発な時期(3週~5ヶ月)は、検査等での被ばくもしない方が良いでしょう。
日時:2011年03月22日 12:35