放射性物質による水質汚染、大丈夫?
「浄水場の水1リットルあたり200ベクレルの放射性ヨウ素が検出されました」という報道が出されています。
ベクレルという単位は「1秒間にその物質が出した放射線の個数」、つまり直接的には放射能を意味する単位のことで、1リットルあたり200ベクレルということは、1秒間にその水から放射線が200個出ているということになります。
そういう風に聞くと「たくさん浴びてしまう!大変だ!」と考えてしまうかもしれませんが、結論から言うと、
例えば1年間毎日必要量飲んだとしても、自然放射線量との合計は最大でも年間2400マイクロシーベルトとなり、世界平均程度に落ち着くため大丈夫だと言えます。
人間は1日に代謝分を差し引いて毎日2~2.5リットルの水が必要になるので、経口摂取量としてはおよそ400~500ベクレル吸入することになります。これを放射性ヨウ素131の持つエネルギーからシーベルトの値に変換すると、約3.0~3.7マイクロシーベルトになります。
ある1日この水を2リットル飲んだとして、その後は正常な水しか飲まなかった場合は、その被ばく量はレントゲン1回の検査被ばく量(50マイクロシーベルト)よりも少ない計算になります。従って1日飲んだ程度で健康被害がある可能性はありません。
また、1年間飲んだ場合についても、その合計は1100~1300マイクロシーベルトなので、日本の通常時の自然放射線量(約1000マイクロシーベルト)と合計しても、自然放射線の量が若干多い地域で過ごす程度(中国の陽江では年間3000マイクロシーベルト前後、世界平均では2400マイクロシーベルトが自然放射線量で、日本は元々かなり少ない)であると言えます。
浄水場からのその後の報告では「減少傾向にある」とのことなので、今後も注意して情報を集めることは必要と言えますが、飲料水として考える分に関しては、現状では心配ないと言えるでしょう。