【健康相談室】 「同居している義母のもの忘れがひどくなって・・・」
「認知症の始まりではないかと心配なのですが?」
ご高齢の方と同居されているご家族にとって、これはとても切実な問題ですね。一般的に認知症は、中核症状と呼ばれる重度の記憶障害(家族の名前を忘れる、食事したことを忘れるなど)と、周辺症状と呼ばれるうつ症状(やる気がなくなる)といった2つの症状を認めることが多いのですが、軽度の記憶障害(少し前に話した内容を忘れる、数字が記憶できず、連続した計算ができないなど)が先行して見受けられることも少なくありません。ただ身近なご家族が、いわゆる通常の「もの忘れ」か「認知症」かを判断するのは非常に難しく、またこうしたことを話題にすること自体、ご本人の自尊心を傷つけ、時には家庭不和の原因ともなりかねません。しかし、認知症の中には脳内出血や脳梗塞といった外科治療や、薬で対処すれば改善するものもあります。最近ではアルツハイマー型認知症の進行予防や症状改善に働く薬剤も多数認可されていますから、まず本当に病的なもの忘れかどうか、医療機関に相談し、適切に対処することが重要です。ご本人を連れてくるのが難しい場合は、まずご家族の方だけで医療機関にご相談されるのも一つの方法です
日時:2010年06月01日 09:45